BARBER SHOP KING
店舗名
世田谷区に2店舗をかまえるBARBER SHOP KING。
店主の素顔は、気負わず、気張らず、自分らしく。そんな姿勢が、多くのリピーターを生んでいる理由のひとつなのかもしれない。
今回は、BARBER SHOP KINGのオーナー、清水健太郎さんにこれまでの歩みや理容業界への思いを伺った。
現在2店舗のオーナーをしている清水さんだが、
高校卒業のタイミングでは特にこれといった目標があったわけではなかったそう。
「勉強してなかったし、手に職つけた方がいいかなって。専門出たら理容師くらいにはなれるんじゃないか、っていう軽い気持ちで選びました」と清水さん。
専門学校卒業後も、将来的な独立や開業なんて、まったく考えていなかったという。
20代前半までは日々の業務を淡々とこなしていたが、25歳を過ぎたあたりから、少しずつ意識が変わってきたという。仕事に工夫を加えるうちに面白さが見えるようになり、次第に「自分でやってみたい」という気持ちが芽生えていったとのこと。
美容師ではなく理容師を選んだのも、ごく自然な判断だったようだ。
女性を美しくするという仕事に自分が関わるイメージが湧かず、理容の方が現実的だったと振り返る。
実は店名「KING」には、特別な意味は込めていないとのこと。
強いて挙げるなら、覚えやすさを意識しただけだったようだ。
一方、サービスや技術には明確な基準があるという。
立地的に有利とは言いがたい環境である分、基本的な技術や接客をしっかりと提供することを心がけているそう。特別な売りを打ち出すわけではなく、シャンプーやカットといった当たり前のことを丁寧にこなす姿勢を大切にしているとのこと。
また、お客さんとの距離感も自然体を重視しているようだ。
無理に話しかけたりせず、それぞれに合ったペースで接するようにしている。リピートしてくれる人が多いのは、たぶんそういうところと、ちゃんと一生懸命やってるのが伝わってるのかなって思っていると清水さん。

オープン当初は30代後半〜40代の男性が中心だったが、バーバーブームが話題になり始めた約15年ほど前から、20代の若年層の来店が増え始めたという。
ファッション誌などからの取材依頼が一気に増え、「これまであり得なかった媒体から声がかかって驚いた」と振り返る。
現在も若年層の来店は続いており、取材の依頼も継続的にあるという。
最後に清水さんのBARBERへの想いや理容業界を目指す人へのメッセージを伺った。

A.採用に関しては、結局のところ「一緒に働いてみないと分からない」っていうのが正直なところです。
うちでは、元々のスキルや性格よりも、入ってからどう育てていくかを大切にしてます。
自分も含めて、既存のスタッフがしっかり育てられるような環境をつくっていきたいですね。
挨拶とか、当たり前のことはちゃんとやるようにしています。
ただ、プライベートに関してはあまり干渉してません。
休みの日に全員で会ったりとか、そういうのも特にはないです。…まあ、俺が行ってないだけかもしれないけど(笑)
A.その時々で考えるタイプなんです。
「こうしたい」と決め込むより、タイミングや流れで動く感じ。
任せられるスタッフや人材がいれば、店舗を増やすのもアリだと思ってるし、やりたいことも数年後には変わってるかもしれない。
だからこそ、その時にちゃんと考えて決めたいですね。
A.お店の数も増えてきたし、これからもっと細分化されていくと思います。
でもそれは悪いことじゃない。
若い人には、自分がやりたいことを見つけて、素直にチャレンジしてほしいと思ってます。
A.若い頃って、目移りもするし、考え方もどんどん変わっていく。
でもそれでいいと思うんです。
いろんな可能性がある中で、「今やりたい」と思ったことを素直にやればいい。
それが一番ポジティブでいられることなら、それを信じて進んでほしいですね。
時代の流れに逆らわず、自分のペースを崩さずに、今日も静かにハサミを動かしている。
気取らない姿勢の中に、確かな技術と誠実さがある。それが、BARBER SHOP KINGが支持され続ける理由なのかもしれない。