三世代が通うメンズサロン。小山に根を張る美容師の「長く続く関係」のつくり方 Classic Hair Studio(クラシックヘアスタジオ)

Classic Hair Studio


店舗名

Classic Hair Studio


栃木・小山の地に根を張り、「10年・20年・30年通えるお客様との関係」を大切にする美容師・中村さん。神奈川・藤沢の大手サロンで14年間積み重ねた技術と経営の経験を携え、地元でオープンして今年で丸6年。コンテストやバーバーバトルでの受賞歴を持つトップスタイリストが、何を大切にしてきたのか。タトゥースタジオをイメージした独特の空間に込めた想いと、スタッフが誇れる職場づくりへの哲学を伺った。


美容師を目指したのは、音がきっかけだった

美容師を志したのは小学校低学年という、異例の早さだ。しかもそのきっかけが、技術でも憧れでもなく「音」だったというのが面白い。
「自分が髪の毛を切りに行くのが好きで、カットの音とカットクロスに落ちる音が気持ちよくて、これを自分でやったら毎日聞けるじゃんって思ったのがきっかけです」
「音」がきっかけで美容師を目指したというのは、インタビューの中でもなかなか聞かない、少し珍しいきっかけだ。子どもの頃に感じたその感覚は、今も仕事をする上で大切にしている感覚の一つになっている。

大手100店舗の本店で、創設者の家に住み込んだ修行時代

美容師を目指した中村さんが選んだのは、神奈川・藤沢に本店を置く大手グループ。小田急線沿線を中心に100店舗以上を展開するその会社で、中村さんはたまたま本店に配属された。
「寮希望の中から本店配属の人が選ばれる感じだったんですけど、その寮が会社の創設者の家だったんですよ」
創設者の自宅に住み込むという、現代ではほぼ聞かない環境だ。そこには会社の歴史にまつわる文献が残されており、定休日には朝9時から庭掃除が始まる。犬の散歩と犬小屋の掃除も日課だった。広い部屋に複数のベッドを並べた共同生活。技術を磨く場であると同時に、人間としての礎を築く場でもあった。
「普通の人ができないような経験はいろいろできましたね」と中村さんは振り返る。淡々とした口ぶりの中に、その経験への誇りが滲む。
その後、店長として20〜30人規模のスタッフをまとめる立場になった。スタッフ教育、シフト管理、売上の責任。独立を考え始めたのは自然な流れだった。

「筋を通して」辞めた。それが今の誇りになっている

14年働いた会社を辞める時、中村さんは一切の嘘をつかなかった。
「前の会社も14年間お世話になって、嫌いで辞めたわけじゃないんで。しっかり筋通してきちんとした形で辞めようと思って話をして、それで応援してもらってこっちでお店オープンした感じです」
送り出してもらい、応援を受けながら地元・栃木にサロンをオープン。その誠実さが、今のCLASSICというサロンの空気感にも繋がっているような気がした。

タトゥースタジオの空気感を、ヘアサロンに持ち込む

内装のコンセプトを聞くと、独特のセンスが見えてくる。
「海外のタトゥースタジオっぽくしたいなと思って。壁の色をグレーと緑の2色に分けて、名前もスタジオにしました。タトゥースタジオってよく言うじゃないですか。だからヘアスタジオがいいなって」
居抜き物件をベースに、予算の中で自分の世界観を表現した。ゴリゴリのメンズ感でも清潔感重視の無機質感でもない、少しアートの匂いがする空間。それが「ちょっとイメージが怖い」と感じる人への壁を下げる役割も果たしているのかもしれない。

こだわりは「家に帰っても再現できること」

技術論を聞くと、中村さんはシンプルに答えた。
「お客様が家に帰って自分できちんとスタイリングできるカットを心がけています。スタイリングの方法もきちんと教えて、お客様が再現できなかったら、ここでいくらバッチリ決めても意味がない」
サロンでの仕上がりに満足して帰っても、翌朝のセルフスタイリングで崩れてしまえば意味がない。その考えはカットだけでなく、パーマ・カラーすべてに共通する。骨格・髪質・毛流れ・ライフスタイルを考慮したうえで、「その人が日常的に再現できるデザイン」を提案する。コンテストやバーバーバトルで実績を重ねてきたトップスタイリストだからこそ、技術の高さと再現性の両立が成立する。

20代〜40代をターゲットに、気づけば三世代が通う場所に

ターゲット層は20代前半〜40代のメンズを想定していたが、実際はその枠を超えている。
「3割くらい女性のお客様も来てくれていて、両親・子供・孫と家族全員がうちに来てくれているお客様もいます。絞ったけど、そこからの広がりで色々来ていただいている感じですね」
10年・20年・30年通い続ける関係を目指すという言葉は、単なる理想ではなく、すでに現実になりつつある。現在は中村さんを含めた3名のスタイリスト体制で、落ち着いた空間を守っている。


最後に今後チャレンジしてみたいことや次世代へのメッセージを伺った。


Q. 今後の展開について

A.スタッフをもう少し増やしたいのと、今いるスタッフが「ここで働いてることを自慢できる」ようにしていきたいですね。どこに行っても恥をかかないよう、ここで成長していってもらいたい。店舗展開は今は特に考えていませんが、うちで働きたいスタッフが増えてくれれば、可能性はあるかもしれないですね。

Q. メンズ美容院やバーバーに行ったことがない方へ

A.短髪にしなくちゃいけないと思っている人や、なんとなくイメージが怖いと感じている方もいるかもしれないですが、別に短髪じゃなくても全然できるし、サービス業なんで全然オラオラしてるわけじゃないので、普通に来てもらえれば大丈夫です。

Q. 美容師を目指す学生へのメッセージ

A.この仕事で一生ご飯を食べていくのであれば、本当に覚悟を持って、特に若い時はこれに没頭して練習をやりまくった方がいいと思います。そして先輩が教えてくれる環境であれば、素直に色々吸収していくのが一番の近道だと思います。

Classic Hair Studio。音への感動から始まった美容師への道は、14年の修行と6年の独立経営を経て、地元・栃木小山に着実に根を張っている。再現できる技術と、長く通い続けられる関係づくり。それが中村さんの、そしてClassic Hair Studioの変わらない信念だ。


店舗情報

Classic Hair Studio(クラシックヘアスタジオ)

栃木県小山市神鳥谷5-2-19 南風原1F1-A