確固たるコンセプトを持った世界基準のBARBER YS/ワイエス YS by Yoshio Suyama

YS/ワイエス YS by Yoshio Suyama


店舗名

YS(ワイエス)


2021年6月、台東区下浅草にオープン。
都心と下町の両方を感じられるこの町に世界基準のBARBERがある。
オーナーの須山 誉志雄さんが世界で培った技術を求め、日本人だけでなく様々な人種の顧客が訪れる。
これまでの軌跡とこれからの展望について須山さんにお話を伺った。


YS/ワイエスのオープンとその背景

須山さんはロンドンやトロントといった海外での経験を積んだあと、フリーマンスポーティングクラブで約5年間勤務。その後独立しYS/ワイエスをオープンした。
専門学校を卒業後、海外に渡ったが最初は言葉の壁が大きなハードルで語学面での苦労したそう。
学生時代には英語が得意科目であり、英会話教室にも通い、外資系のアパレルショップでバイトをしていたことから英語の環境には慣れていたものの、イギリスではそのスキルがほとんど通用しなかったとのこと。
しかし、技術面では日本の専門学校で学んだ基礎がしっかりしていたため、徐々に人種ごとの髪質に適したカット技術を身につけることができたようだ。

「日本の英語教育を恨んだ」と冗談を交えつつ話す須山さん

日本への帰国と独立

海外での経験を経て「自分の生まれた国も見ないといけないと」日本に戻り、フリーマンスポーティングクラブに勤務。最初は日本ならではの文化やビジネスマナーに苦労することも多かったそう。
特に日本独自の「新規の顧客への気配り」や「組織の中での決まり事」などは、海外での経験が多かった須山さんにとって特殊な環境だったようだ。
5年間フリーマンスポーティングクラブにて勤務し、30歳になったタイミングで独立、YS/ワイエスをオープンさせた。

日本人らしさを大切にし、オリジナルを追求していきたい

YS/ワイエスのコンセプトは「1920年代に日本人男性が世界を旅して得たインスピレーション」。
例えばキューバやマイアミのような場所から影響を受け、それを日本人の感性と融合させたテーマで店舗を作り上げた。あくまで「日本人らしさ」を大切にしており、外国風のスタイルよりも、日本人としてのオリジナルを追求している。

須山さん自身が1920年代のアメリカを好んでいることもあり、店内には海外で集めたアンティークや祖父母から譲り受けた和家具まで思い入れの詰まったアイテムが自然と溶け込んでいた。

顧客層は30代が中心で、上は70代くらいまでと幅広い顧客層が定着している。クラシックなスタイルや古いものが好きな顧客が多く月に1回に来店する方がほとんどとのこと。スキンフェードの顧客はメンテナンスプランを利用して、2週に1回のペースで来店する方が多いようだ。

メニューと人気の髪型

YSで提供されるメニューはカットとシェービングがベース。海外での経験も活かしつつ、日本人に合ったスタイルを提供している。特に人気のスタイルは「ロングトリム」。
髪を長めに保ちながらもサイドをすっきりとさせ、横に流すクラシックなスタイルだ。
このスタイルは、YSを訪れる多くの顧客にとってシグネチャースタイルとなっており、初めて来店する顧客もこのロングトリムを目当てに来ることが多いよう。特に、1920年代から1950年代のクラシックなスタイルが好きな顧客層に人気が高く、時代を感じさせるスタイルがYSの特徴的な魅力の一つとなっている。

YSプロダクトについて

YSでは、ヘアカットだけでなく、須山さん自らがプロデュースしたオリジナルのスタイリング製品も展開している。このプロダクトは、須山さんが自分自身が欲しいと思う製品を形にしたものだ。市販されている既存のスタイリング製品には、エレガントさや扱いやすさに欠けるものが多く、自分自身の理想を追求するためにオリジナル製品を作り上げたとのこと。
特に、YSプロダクトは髪を切った後、次に来店するまでの間に顧客が自分で理想の髪型をキープできるような製品設計になっている。付けムラがなく、柔らかい質感を長時間維持できる点が特徴で、顧客が自宅でのスタイリングでも簡単に扱えるよう配慮されている。このように、オーナーの経験とこだわりが詰まったプロダクトは、YSの魅力の一つとして多くの顧客に支持されている。


将来的にはまた海外に挑戦したい

最後に日本のバーバー業界と須山さんの今後の目標を伺った。

Q.現在のバーバー業界の状況で感じていることは?

A.日本のバーバー業界は今後さらに成長する可能性を感じています。日本の繊細な技術を海外の文化と融合させ、それをさらに昇華させた形で海外に持ち帰るという新たなムーブメントが起こっている。
若い世代の中にも、バーバー業界に憧れを持つ人々が増えてきており、日本は美容文化がまだまだ根強いが、バーバー文化も次第に根付いてきていると感じています。

Q.今後の目標と展望は?

A.現在、1人で店舗を運営していますが、将来的にはスタッフを増やし、イベントやポップアップを行う際にも店を閉めずに対応できる体制を整えたいと考えています。また、海外での新たな挑戦も視野に入れており、海外店舗の展開や、現地でのポップアップイベントの開催など、今後もグローバルに活動を広げたい。

YS/ワイエスは、須山さんの独自の経験と高い技術力をベースに、これからも成長を続け、国内外で新しい挑戦をしてくれそうだ。

店舗情報

YS(ワイエス)

東京都台東区元浅草4-6-19

火曜日〜土曜日 10:00-20:00 日曜日 9:00-19:00 定休日 月曜日